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今年のクリスマスを彼と過ごせるとは思っていなかった。
特に多くを望んだことはない。
幼い頃からクリスマスには良い思い出が無いし大人になっても・・・・思い出は無い。
去年の12月、中頃まで上司と付き合っていた。
背が高く容姿もそれなりだった。
何よりも気が利く人で女子社員からも男性社員からも慕われていて、私には憧れの人だった。
そんな人から「君はゲイじゃないか?」と聞かれたのは3年前の夏。
私は27歳だった。
この人には妻も子供いた、何度か会ったこともあった。
だからだろうか・・・主任との恋は燃え上がった。
何度も抱かれた。
「しゅっ・・・にっ・・・・あっあっ」
見た目よりも逞しい体、愛撫は優しかった。
「もう少し腰をあげて。そう、キスがしたいよ・・・」
声も。
「やっ・・・なめないっでっ////・・・・あっあっぁぁっ」
笑顔も。
「んふぁっ・・・あっやぁやっ・・・」
心も。
「ココが良いんだね。相変わらす可愛いね、こんなにして」
「ひぃあぁっ・・・あっ・・・はぁっ・・・んっぁ/////」
全てが欲しくなった・・・・欲しかった。
でも、結局は不倫だった。
主任は海外支店の支店長を任せられるのを機に、愛する奥さんと子供を連れて私の前から・・・消えた。
そんな不完全燃焼な恋をしたからだろう。
逃げ回ったのは。
彼は入社2年目にしてウチの部署に配属になったエースだった。
出世は確実に出来るであろうコースの入り口にいるのに何故か上司からの見合いを断っていた、変な子だった。
私が彼の仕事上のパートーナーとなり、色々な事を教えた。
飲み込みがとても早く素晴らしい洞察力の持ち主で、大変な商談を纏めるのが上手く色々と助けられた。
彼みたいな人が恋人ならば幸せなのだろうなと思った。
そんな事を考えていた今年の夏、彼から口説かれた。
仕事が終わった後によく行くバーがあってそこで手を握られた。
酔ってはいなかった。
「先輩、俺の事いつもフォローしてくれますよね。俺、凄く助かってるんです。」
「・・・あぁ。」
「俺ね、夢があるんです。聞いてくれます?」
ここで彼は強い酒を煽った。
「好きな人と楽しい家庭を作りたいんです。出来れば子供も欲しい。」
「作れば良いじゃないか。お前なら事欠かないだろう?」
「それがね出来なくなっちゃったんです。」
「ん?何か体に問題でもあるのか?」
「ぷっふふふふっ、先輩は俺の体の心配してくれるんですか?」
「そりゃまぁな、若いんだから大事にした方が良い。」
「あーもうだめだ・・・・・・好きです、先輩。」
グラスを落としそうになったのを覚えている。
あの日はそれで終わったというか私が逃げてしまった。
でも職場で頑張る姿や徹夜している彼の寝顔、それに毎日の様に語られる私と行きたい場所やしたい事リスト・・・私は脆かった。
寒空の下コートとマフラーを巻いて真新しいツリーを抱えて歩く。歩きながらの長い回想に終止符を打ち去年の自分には考えられない程の幸福を噛み締める。
待ち合わせの場所にはもう彼が居た。
有名なケーキ屋の袋を持って寒そうに立っている、その姿だけでも絵になる様に素敵だった。
「幹人さん、マフラーずれてる。」
何気なく伸びてきた手に包まれる様な気持ちになる。
「ありがとう////」
「ディナーは用意出来てますよ、さぁ帰りましょう。僕の家に。」
「あぁ」
軽く下り坂を下って一戸建ての彼の家へと二人で並んで向かう。
何れこの道を一緒に通勤したりするのだろうか・・・これから行く家が自分の家になったりするのだろうか・・・などと考えてしまった///////
今、私の初めてのクリスマスが幕を開けようとしている。
END
ワイン飲みたいワァ。
クリスマス、皆さんはどう過ごすんですかね。
楽しく過ごしてください。
この話・・・続けようかな。