望

 灰色の街を見渡し
名を問う様に
右手を振りかざす

漂う青空に辟易してる
君は僕の左手を抱き締め
目を瞑ったね

千切れては飲み込み
染み渡る体
丸いガラスケースの中で何故か息をしてる

心を開いて見てよ
君達と同じ仕掛けで僕は動いてる
そんな目で見るなら確かめてみると良い
拒まないよ
探求心には逆らえない

右手に貴方の手が重なる
崩れた夜に優しい声
ただ従う
そう決めた

イメージした幸せは暖かくて
求めた人は足が早くて追い付けない
両腕両足のお守りは首筋に痕を付けて枷になる

生身の部分を引き摺って
貴方に出来るだけ近付こう
青い夜は寂しいだろう
暖めたい
僕が出来る最後の恩返し

聞こえるのは誰の鼓動？
水が膨れて破裂して僕に降り注ぐ
濡れれば濡れる程重くなる
そんな身体を引き摺って
笑う君は誰の為？

純粋を守れない
僕は守れない
君の瞳も幸せも愛も守れない
夜と手を繋いで飛び立とう
誰かの命を救う事なら出来るから

行き着く場所はココだけ
ずっとココだけ
温もり求め貴方を見付け
許されたのは一つの約束
守ろう
何度でも
何度でも
果たそう

千切れて砕けても

果たそう

貴方が壊れるまで

僕が眠る事はない



影

歪みＭＡＧＩＣ

 必要以上に磨かれても
僕の心は薄れない
夕闇に手を這わせて思う
茶色いのはいつも誰？

光る物を身に付けて
力を奪われて、僕は染まる

一人称なんてなんだって良い
食い千切られるような痛だってどうでも良い
柔らかな傷みと可笑しい時間
自分に背負わすのはそれだけ

鼓動とＴＲＹの核
欲望の渦はシンプルな自分

どんなになっても僕
止まるのは御免
大事なのはそれだけ
わすれないで

影

作業

 凍える夜

空飛んで
青い灰
身に落ちる

杜若
語呂合わせ
あなたの目
孤独に染まる

継ぎ接ぎの声
蠱惑 揺らむ
発火していく
私の体
途切れた私に
奇妙な夢を見せ
沈む

消える
静かに
消えて
静かに

感覚も無く
私は夢に堕ちて

尽きる

衰弱

しがみついて
理由を並べて諦めて
涙も流さず
幼児のまま黒に憧れる
そんな僕を貴方は遠くで見てる

僕の後を付いてくるのは傷
見えない物は貴方にも見えない
どうしてそんな目で笑う？
憧れだけの黒は徐々に侵食してる
貴方を知った夜の月の白さが
浄化してるのか？

貴方は美しい。

鍵盤を叩く様に僕の気持ちが貴方に
伝われば良い
キーボードの音の様に軽快に僕の崩壊が
聞こえれば良い
貴方が与えた夜が僕を幸福と絶望に変える
声を聞かせてください。
貴方は夢を見てる
僕は棘のせいで声がでない

どうしてですか？
僕は君にキスがしたいだけ
どうしてですか？
どうして・・・死のうとするの

僕は君に・・貴方にキスがしたいだけ
バラバラになるのは僕の体で
粉々になるのは僕の脳だけでいい

散らばった部屋に人間の匂いがする
貴方の匂い
その黒髪から溢れる重みは深呼吸
僕の痛みが弱さに変わり叫ぼうとする
飛びたい
貴方と飛びたい

でも瞼を閉じるのは一人

RTB

知らない君の言葉
知らない君の笑顔
触れていれば満足で
声を嗄らすほどの重力で
僕は眠れる

冷たい君の目
見えない感情
模索して張り詰めて
幾つも手に入れたのは
君が存在していると言う証だけ
粉々になるまで僕を見ないで
無知な僕を閉ざす様に拒絶しないでいて