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声を聞きたくて一人で眠れない夜が増えた。
会社帰りにコンビニに寄り、帰って寝るだけの生活。
貴方は本当にココにいたのだろうか?
俺の隣で寝ていたんだろうか?
「寒いな・・・」
12月も中頃、一人で過ごすには広過ぎる部屋。
あっけなかった。
二人で住もうと決めて購入したマンションの一室。
男同士だから色々と大変だった。
やっと住める事が決まった日には、ワンカップ片手に二人で騒いだっけ。
「ふふっ」
思い出したら笑いが、楽しかった気持ちが迫り出してきた。
今・・・どうしてるのかな。
「あっちでも元気なのかな、変な声で笑うのかな。」
脆いもんだよな人間なんて。
飛行機の爆発、それも局所的な物だった。
着陸したあと右の翼が吹っ飛んだ、原因は説明されたけど・・・
「聞いてなかったなぁ俺。」
なんでアイツの席だけ?なんで?たまたま窓側だったから・・・窓側だったから死んだのかっ!・・・そんな事しか思い付かなかったなぁ。
窓を開けて過ごしている真夜中。
揺れるターコイズブルーのカーテン。
おぼんとクリスマスが違う事ぐらい分かっている。
ただ、なんとなくなんだ。
ドッキリ、サンタクロースの格好をした貴方が現れてドッキリだったと一言いってくれれば良い。
「ばっかだよなぁっ・・・ふっ・・・っ・・・うぅ・・・さむいなぁっ・・・」
重症でまだ目の覚めない方が二人いる、軽症を負った方も結構いた。
でも死んだのは一人、俺の旦那。
あっけないよ、あっけなさ過ぎるよっ。
寝ると黒煙が上がっている飛行機の悪夢を見る。
二ヶ月経った、気持ちの整理なんて本当につくのだろうか。
救いようの無いほど疲弊していた俺は次の日、酷い咳と頭痛に悩まされて病院に行った。
一週間後の検査結果を聞いて思った。
「メリークリスマス。来年は一緒に祝えるんだな、愛しているよ。」
墓前で手を合わせたあと俺は歩き出した、ちょっとだけ寂しいクリスマスプレゼントを胸に抱いて―
END
ワラビ氏へ
絵のアップが出来たようですので、カゴテリを増やしました。
今後はそちらにおねがいです
ぱんぴんぽんぱーん。